犬NO.3
病気について
1.かかりやすい病気
動物により、かかりやすい病気があります。
犬が一般的にかかりやすい病気を説明しておきます。
また、予防対策として定期的なワクチン接種や予防薬の投与・健康管理等が重要となります。
犬の病気は感染症だけでは無く、腫瘍や生活習慣病等の人間と同じ病気がたくさん有ります。
常に元気で、食欲や便・尿等に異常が無いか等注意している事が必要です。
様子がおかしいと思ったら早めに動物病院に相談か診察してもらう事が、早期発見・早期治療となります。
・ 腸管内寄生虫症
回虫・鉤虫・条虫等
○症状
下痢や食欲不振等
○検査
糞便検査・便の虫卵検査
○治療
寄生虫の種類に応じた駆虫薬の投与により完治します。放っておくと死亡する場合があります。
・ パルボウィルス感染症
○症状
激しい嘔吐・下痢が主な症状
○検査
糞便検査と血液検査
○治療
肝臓機能を回復させる対症治療と食餌治療。ワクチン接種による予防ができます。
・ フィラリア症
○症状
吐くような咳、腹水
○検査
血液検査
○治療
肺動脈内の成虫を駆虫。蚊からの感染の為、夏期のフィラリア予防薬の投与にて予防します。
2.人畜共通感染症
動物から人間へ、人間から動物へ感染する病気です。
多くの病気がありますが、主な共通感染症を説明します。
また、人畜共通感染症を予防する為には、口移しで食べ物を与えない事や過度の接触をしない、排泄物は早めに処理する、動物の体や生活環境を清潔にする、動物の体を触った後や排泄物を処理した後の手の洗浄等。飼い主自身や家族の健康状態にも注意し、異常があれば医師に相談して下さい。
衛生的な飼い方を心がけていれば、必要以上に恐れる必要はありません。
・ 狂犬病
○感染源
感染した動物に噛まれて感染します。温血動物すべて感染します。
○治療法は無く、感染後100%死亡する。
日本では昭和32年以降ありませんが、他国では現在も年間3万人以上の死亡があります。
※日本での狂犬病予防注射は、飼い主として法律で義務付けられています。
・ 皮膚糸状菌症・疥癬症・白癬菌症
○感染源
糸状菌(カビの仲間)や疥癬(ダニの一種)による皮膚病で、接触感染します。自然界に浮遊している菌ですので、発生しないようにすることは不可能です。
○治療は、皮膚検査を受け検査結果に応じた塗り薬や投薬で治します。人間の水虫(白癬菌)からも、動物に移ります。
・ エキノコックス症
(多包条虫)
○感染源
キツネと野ネズミの間で感染している寄生虫病で、キツネの糞や野ネズミを食した事で感染します。症状はほとんど有りませんが、感染した動物の虫卵が何かしらの原因で人間の口に入ると、子虫が肝臓等に寄生して肝障害等を引き起こします。
○治療は、症状に応じた専門科にて治療が必要です。北海道のみの発生でしたが現在では本州でも発見させていて、汚染させた動物の肉を生で食したり 汚染させた水(河の水)を飲水する事で感染する事もあります。また、犬に感染したエキノコックスは、薬で駆除できます。
去勢・避妊措置について
予期しない繁殖を防止する為や増えた動物の飼養困難とならないようにする為に、オスの場合は去勢手術・メスの場合は避妊手術があります。
無知なる繁殖で不幸な動物を増やさないよう、制限するように努めましょう。
費用については動物病院によって違いがありますが、去勢手術では数千円〜数万円・避妊手術では数万円になります。
手術には、体重(サイズ)により費用が変わってきます。
仔犬時期に行った方が安くすみますが手術可能年齢がありますので、それぞれについての詳しい事は動物病院にて問い合わせ下さい。
また、避妊・去勢手術のデメリットとして肥満やホルモン失調が認められる場合がありますが、ホルモンバランスによる皮膚疾患トラブルは、避妊・去勢手術で改善される事もあります。
○去勢手術のメリット
メスに対して性的欲求や興奮がコントロールされ、ストレスがなくなる。また成長時期に行った場合、マーキング行為をしない。攻撃的性格や粗暴な振舞いが抑制され、温和で飼い易くなる。前立腺の病気や肛門周囲の腫瘍の予防効果がある。
○避妊(不妊)手術のメリット
年2回見られる発情期の出血や心理的変化が抑制でき、ストレスがなくなる。偽妊娠の兆候やメス独特の病気(乳腺腫瘍・子宮の病気)の予防ができる。
※ 去勢・避妊(不妊)手術の補助金制度もありますので、
詳しい事は市町村役場・県獣医師会にてお聞き下さい。